インストールのため必要な準備が整った際、Liferay DXPのインストールを開始できます。インストールを完了させるにはバンドルが最も簡単な方法なので、下記のインストール手順はすべて、バンドルがインストールされていることを想定しています。
Liferay Home
Liferay DXPバンドルには、アプリケーションサーバーとは関係なく、同一のフォルダ構造が含まれています。最上位のフォルダは、Liferay DXPのリリースに対して名前が付けられます。このフォルダの名称は Liferay Home です。このフォルダは通常、アプリケーションサーバーのフォルダの親フォルダです。このため、Liferay DXPバンドルではアプリケーションサーバーはバンドルのルートフォルダ内部に配置されます。手動インストールでは、このフォルダの場所はアプリケーションサーバーによって異なります。バンドルでは、バンドルの一部になっています。手動インストールを実行する場合、その場所に応じたアプリケーションサーバーを対象とする記事を参照してください。
Liferay Home フォルダ内には、以下のような様々なフォルダがあります。
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[Liferay Home]
`data`
`deploy`
`logs`
`osgi`
`patching-tool` (Liferay Digital Enterprise 7.0のみ)
[Application Server]
`tools`
data: このフォルダは、組み込み型のHSQLデータベース、Liferay DXPのファイルリポジトリ、Liferay DXPの検索索引を保管するために使用されます。Liferay DXPは、初期状態ではHSQLデータベースを使用するように環境設定されていますが、本来はデモンストレーションおよび試用の目的を意図したもので開発環境および本番環境では使用することはお勧め致しません。
deploy: Liferay DXPプラグインをデプロイするには、プラグインをこのフォルダにコピーします。レガシースタイルファイルの.warファイル、Liferay Digital Enterprise 7.0のスタイル.jarファイル、またLiferay Marketplaceからの.lpkgファイルがサポートされています。
logs: このフォルダには、Liferay DXPのログファイルが含まれています。Liferay DXPのログファイル内の情報はシステム管理者にとって、特に問題を診断しようとする際に重要です。
osgi: すべてのJARファイルおよびLiferay DXPのOSGiランタイム用のいくつかの環境設定ファイルは、このフォルダ内に存在します。
patching-tool: このフォルダには、Liferay DXP用のパッチ、およびパッチをインストールするためのファイルが含まれています (Digital Enterprise 7.0のみ)。
tools: ポータルのアップグレード、および対象となるプラットフォーム索引作成プログラム用のものです。
[Application Server]: このフォルダの名前は、利用しているバンドルによって異なります。このフォルダには、Liferay DXPがインストールされたアプリケーションサーバーが含まれています。
Liferay DXPが Liferay Home フォルダ内に必要なリソースを作成できない場合、または特定のアプリケーションサーバー上で動作することが判明した場合、Liferay DXPを動作させているOSユーザーのホームフォルダ内に liferay という名称のフォルダを作成します。この場合、liferay フォルダが Liferay Home となります。例えば、OSユーザーの名前が jbloggs の場合、Liferay Home フォルダは /home/bloggs/liferay または C:\Users\jbloggs\liferay となります。
Liferay DXPバンドルの解凍
Liferay DXPバンドルを立ち上げて動作させるにはアーカイブを解凍し、アプリケーションサーバーを起動します。時によってJDBCドライバーをコピーする必要もございます。以下、Liferay DXP Tomcatを例としての解凍手順です。
- Liferay DXPバンドルを解凍してください。
- Liferay DXPを実際のサーバーにするためにセットアップする場合、データベースのJDBCドライバの.jarファイルを[Tomcat]/lib/extにコピーしてください。サポートされているオープンソースデータベースを使用する場合、またはLiferay DXPをデモ目的でセットアップする場合、この手順を飛ばしても構いません。
Liferay DXPを解凍したので、使用する準備ができました。アプリケーションサーバー上に手動でインストールするよりもずっと簡単です。
Liferay DXPのデータベースへの接続
アプリケーションサーバーのデータソースまたはLiferay DXPバンドルにすでに含まれているデータソースを通じて、Liferay DXPを接続することができます。調整の際の適合性の点から、すでにLiferay DXPバンダルと一緒にあったデータソースを使用することを推奨します。これを行うには、portal-ext.properties という名称の環境設定ファイルを作成し、そのファイルを Liferay Home フォルダ内に配置してください。
環境設定はデータベースによって異なるため、データベースごとのテンプレートが参照セクション内に用意されています。そのため、データベースを接続するには、portal-ext.properties という名称のテキストファイルを Liferay Home フォルダ内に作成してください。データベース用の関連テンプレートをコピーし、このファイルに貼り付けてください。
ここでやるべきことはカスタマイズだけです。データベース用の適切なホスト名ならびにユーザーおよびパスワード資格情報を入力し、その後ファイルを保存してください。
Liferay DXPの初回の実行
次に、アプリケーションサーバーを起動するか、アプリケーションサーバー内のLiferay DXPアプリを起動してください。例えば、Liferay DXP Tomcatバンドルを使用する場合、Tomcatを手動でダウンロードしたものとしてTomcatを起動してください。Tomcatは、binフォルダ内にあるスクリプトを呼び出すことで起動します。WindowsのコマンドプロンプトまたはMac/Linuxのターミナルを開いてこのフォルダに移動し、以下のコマンドを通じてTomcatを起動することができます。
startup
また、Linux、Mac、Unix上では以下のコマンドを通じて行います。
./startup.sh
こうすることでLiferay DXP Tomcatバンドルが起動します。Windowsの場合、Tomcatのコンソールが中にある別のコマンドプロンプトウィンドウが現れます。Linuxの場合、以下のコマンドを発することでTomcatのコンソールを見ることができます。
tail -f ../logs/catalina.out
Liferay DXPの初回起動時は、データベース表をすべて作成するのにしばらくかかります。起動に成功したら、Webブラウザが自動的に起動し、Liferay DXPの基本環境設定のページが表示されます。何らかの理由でブラウザが基本環境設定のページを読み込まない場合、Webブラウザを起動して http://localhost:8080 に移動してください。
Liferay DXPのセットアップウィザードの使用
Liferay DXPのセットアップウィザードは、Liferay DXPの初回起動時に動作します。Liferay DXPの環境設定を簡単に行うため、新しくインストールされたLiferay DXPバンドルでは最初にセットアップウィザードをご覧ください。セットアップウィザードのページのタイトルは、Basic Configuration (基本環境設定) です。このページは、最初のLiferay DXPの環境設定を行うのに便利です。
このウィザードには、ポータルと管理者の2つのセクションがあります。ポータルについては、以下の情報を入力する必要があります。
ポータル名: Liferay DXPで動作させるポータルの名前です。
デフォルトの言語: ポータルのデフォルトのロケールを選んでください。
管理者については、以下の情報を入力する必要があります。
名: デフォルトの管理者ユーザーの下の名前
姓: デフォルトの管理者ユーザーの上の名前
Eメール: デフォルトの管理者ユーザーのEメールアドレス
基本環境設定のページには、[Add Sample Data] (サンプルデータを追加) のラベルが付いたチェックボックスも含まれています。このボックスをチェックすると、サンプルデータがLiferay DXPのデータベースに追加されます。このデータにはユーザー、サイト、組織が含まれています。このサンプルデータによって、Liferay DXPの数多くの機能を見ることができます。Liferay DXPを自分のマシン上にインストールしてその機能を調べる場合、サンプルデータがきっと役に立ちます。ただし、Liferay DXPを実際のサーバー上にインストールする場合、システムをクリーンな状態にして始めてください。
フォームへの入力が完了したら、[Finish Configuration] (環境設定を完了) をクリックしてください。セットアップウィザードによって portal-setup-wizard.properties ファイルが作成され、ここに入力した設定が保管されます。ただし、ポータルの環境設定のカスタマイズを始める際は、先ほど作成した portal-ext.properties ファイルを使用してください。このファイル内に配置され得るプロパティはすべて、当社の参照用資料内に記載されています。
お役立ち情報: このウィザードは、特にLiferay DXPの初回のセットアップを行う場合に非常に役に立つツールです。Liferay DXPを使い慣れていて既に様々なプロパティをセットアップしている方は、セットアップウィザードを無効にできます。セットアップウィザードを無効にする場合、環境設定をすべて portal-ext.properties ファイルから手動で行う必要があります。セットアップウィザードを無効にするには、portal-ext.properties ファイル内で setup.wizard.enabled=false を入力してください。portal-setup-wizard.properties (セットアップウィザードによって Liferay Home 内に作成されたファイル) 内のプロパティ値は、portal-ext.properties 内のプロパティ値に優先することをご留意ください。
基本環境設定のページによって要求される情報を入力した後は、Liferay DXPのトップページに移動します。次はメール環境設定をセットアップしてください。
メールの環境設定
Liferay DXPが立ち上がり動作しているので、セットアップウィザードで作成した管理者ユーザーとしてログインしてください。メニューアイコンをクリックし、その後 [Control Panel] (コントロールパネル) → [Server Administration] (サーバー管理) → [Mail] (メール) に移動し、メール資格情報の準備を整えてください。
以下の情報を要求されます。
受信POPサーバー: POP (Post Office Protocol) を動作させるサーバーのホスト名です。Liferay DXPは、掲示板ポートレットの返信などの受信メッセージをこの受信箱でチェックします。
受信ポート: POPサーバーのポートです。
安全なネットワーク接続を使用する: POPサーバーへの接続時に暗号化された接続を使用します。
ユーザー名: Liferay DXPがPOPサーバーへのログインに使用するユーザーIDです。
パスワード: Liferay DXPがPOPサーバーへのログインに使用するパスワードです。
送信SMTPサーバー: SMTP (Simple Mail Transfer Protocol) を動作させるサーバーのホスト名です。Liferay DXPはこのサーバーを使用してパスワード変更を伝えるEメールやその他の通知などのEメールを送信します。
送信ポート: SMTPサーバーのポートです。
安全なネットワーク接続を使用する: SMTPサーバーへの接続時に暗号化された接続を使用します。
ユーザー名: Liferay DXPがSMTPサーバーへのログインに使用するユーザーIDです。
パスワード: Liferay DXPがSMTPサーバーへのログインに使用するパスワードです。
上記の環境設定よりも優先される、追加のJavaMailプロパティを手動で指定する 指定する必要のある追加のプロパティがある場合、ここで入力してください。
メール環境設定のセットアップが完了したら、[Save] (保存) をクリックしてください。